温故on温故 vol.1
- DATE : 2013.02.01
- Cat : 京都どーすか?
高校生の頃、ネスカフェ・ゴールドブレンドのTVCMで、「花人・川瀬敏郎は知っている」というナレーションをバックに、直径1mはあろうかという水盤に菖蒲がビッシリと、しかも整然と静けさをもって活けられてる姿が流れてた。伯母が嵯峨御流でちょこっとお花は見てたけど、度肝抜かれるとは正にこのこと。習いたい!と思ってから10年後、東京・吉祥寺でFloorという和菓子と日本茶をメインにしたカフェをやっていた頃、縁あってお宅に伺わせて頂いた。玄関には今活けました!という椿が須恵器の掛け花入れに一輪。
席につくなり、「どこの和菓子が好きなの?」京都出身の川瀬さん相手にとりあえず京都のお菓子屋さんの名前を挙げるのはアカンと思い、「鎌倉の美鈴です」。と逃げてみたら、「私は、生風庵のきんとん、中でも雪餅は最高だね」。とのこと。すみません、存じ上げません・・・。つーか人生でこんな怖い思いをしたことはない。なにをどう答えようが全て見通されてるような気分。もう目見て話せませんし。
さて、「なぜお花が習いたいのですか?」よく来て頂く池坊の師範免許を持った着物美人のお客さんを満足させれるような花を活けれるようになりたくて、せめて基礎だけも習いたいと答えると、「アナタが、趣味でお花を習いたい、もしくは、花で生きていきたいと言うんであれば教えることはできます。しかしながらアナタが今やっているカフェは、自分の好きなようにした空間なんでしょう?そこに川瀬や池坊のカタチが入ると気持ち悪いと思いませんか?仮にアナタが活けた花を池坊の師範免許を持った方が貶したとしても、その基準は池坊の初代に準じたものでしかなくて、その方個人の目ではない。そんなことは気にせずに、空間と同じようにアナタの好きなように活けなさい。アナタが家元になればいい」。・・・快・感(薬師丸ひろ子調)。即、新幹線に乗り京都・生風庵へ。ちなみにこの時が人生初の俵屋旅館泊だったりする。
それからさらに10年後、誉田屋源兵衛さんとイノダで朝コーヒーをしてた際、川瀬さんとバッタリ再会。川瀬さんと源兵衛さんも旧知だったりもして、今更ながら世間の狭さに驚いてみたり。
改めて連絡先の交換をさせて頂いたところ、今回のご来店の運びとなる。
これはチャンス!とばかりに、源兵衛さんの回を読んでもらった上で書かせてもらいたい旨を伝えると、
「表面上は小マシなこと書いてるんじゃないの?」
と褒められてるんだか貶されてるんだか、とにかくどうぞお好きにと仰って頂いてここに至ってる次第。「最近、どこのきんとんが美味しいと思われます?以前言われてた生風庵はなくなりましたねぇ」。と伺えば、「今は、簫月ですね。それと末富」。わかります!あーホッとした~。
さて話はここから佳境に入ります!が残念ながら紙が足りないので、来月につづく、つーことでどーすか?
Meets 297号より