Vol.7
- DATE : 2006.10.20
- Cat : 今更、エコといわれても
えーっと、アタシがヒトと違うと思うようになったのは、小学校の高学年の頃かしら。
普通、「普通っ何よ?」って話だけど、ま、便宜上、普通って使うわね。普通さ、そろそろ性的なモノに目覚め始める時期じゃない? 誰がスキとかさ、子どもはどうやって産まれるの? とかさ、女子だけ集めさせられて映画かなんか観てさ、どうも怪しいらしいぞ、“整理”ってもんらしいぞ、って、“生理”違いなんだけどさ、そんな時期じゃない。みうらじゅん氏曰く「アレはゴダールを見せられてる」らしいんだけどさ。詳しくは『正しい保健体育』(理論社)を読んでちょうだい。
アノ本は現代のお経よ。
この意味がわからなければ、アンタはアホってコトだから。
もー、話それずぎよね。なんだっけ? そうそう、思春期の始まりの時期。みんなが女子に興味持つのに、アタシは男子に興味持ったワケ。
水泳の授業なんてもう、ヨダレダラッダラよ。お着替えタイム! なんて、アタシの気に入ったコにくっついてさ、しっかりそのモノを目に刻みつけんのよ。10歳やそこらのオチンチンなんてそれこそ小指の先、くらいよ。何が楽しいのかしらって感じよ、今思うと。
え?
ロリコンの趣味はナイわ。
世の中にそんな趣味のヒトがいたらいたでイイけどさ、アタシにはその趣味はナイわ。
そんで、修学旅行なんかのお風呂タイムは天国なワケ。お気に入りのコがいる、アタシとは違うクラスのお風呂タイムに潜入したりしてね。怪しいわよね。でも見たいんだもの、仕方ないでしょ? 欲望には素直なのよ。
そんなコトしてたらさ、見つけてしまったの。
それまでは「アタシってオカシイ、変態ね、男なのに男子がスキなんて、ヒトに知られたら死ぬしかない」って思ってたわよ。それがよ、見つけたの、雑誌。ゲイ雑誌よ。
その時の衝撃って言ったら、もう筆舌に尽くしがたいわ。
それまでアタシは孤独だったのよ。
でも「こんな自分と同じ趣味(?)のヒトがいるんだー、救われた」って思いと同時に、大人の男の裸に釘付けよ。
今でこそネットが発達して便利になったけど、その当時、中学2年生くらいだったかしらね。30年前にそんなモンありゃしないじゃない? だから、雑誌には文通欄があって、全国津々浦々から投稿があってね、「知り合いましょう」みたいなさ。そこに千人くらい載ってんの。
こんな世界があったんだ、「救われたー」よ。何度も言うけど。
で、ドキドキだったけど、それまでの人生で一番勇気を振り絞ってゲイ雑誌買って帰ってさ、その文通欄でよさげなヒトを見つけて送ったのよ。
お返事がきて、すぐに会ってみたわ。
割とイイ男でさ。イイ匂いがしたわ。医者の卵で。
つたないセックスだったわね~、今思うと。
今はおどろおどろしいセックスだけどね、って何を言わすのよ、まぁ当時はカワイかったわ、アタシ。
そう、だからアタシの初体験の相手はオ・ト・コ。
・・・つづく
ecocolo vol.8より