THE ZEN KAI Vol.2を終えて
- DATE : 2011.10.27
- Cat : Sol
6.11、昼はピースウォーク、夜は妙心寺・東林院においてのライブ。
居ても立ってもおられずなにかしようと手探りでやらせてもらったわけですが、東林院さんも、印刷屋さんも、お願いするまでもなく協力しますとのお申し出を頂いて、出演者もスタッフも全部自腹で参加頂いて、世の中捨てたもんじゃないと思いました。
1回目を終えて、羽賀和尚はじめ、EGO-WRAPPIN'も大石くんも桂しん吉さんも皆またやろうと、そして続けていこうと言って頂いて、第2回目も企画させて頂きました。
1回目は入場料全て、妙心寺を通して被災地に届けて頂きましたが、長い目で見れば、全てそれぞれが自腹では続けていくのは困難であろうと、相談の上、入場料より掛かる経費を引いた利益を寄付させて頂こうとなりました。
現在、収支の計算中で、終わり次第こちらにて報告させて頂きますが、自分達の中ではそれもチャリティと捉えていました。でもそれはチャリティではない、チャリティの名を語ってプロモーションすべきでない、とのご批判やご指摘を頂きました。入場料全てが寄付に回るとの誤解を与えてしまった方もおられたようです。この場をお借りし、不快な思いや誤解を与えてしまった皆様に、謹んでお詫び申し上げます。
また同時に、演出上の問題や、告知の仕方についてのご批判も頂きました。
素人が思いつきでやるべきではなかったのかと、深く反省しています。
そういう意味で、自分自身にも学びの多い今回となりました。
さて、当日の様子は、MobileLABO.にてアーカイブされています。EGO-WRAPPIN'と佐治晴夫先生については、1週間限定となっています。
今回の感想を少し。
花園禅塾による読経。うちは浄土宗なので総本山の1つ永観堂で結婚式を挙げさせてもらったのですが、その際の僧侶20名程での読経、それまでの体験では、お葬式での5名程度の読経がMaxでしかなかったので、そうなればお経だとか宗教儀式だとかそんなことは吹っ飛んで、なんて格好いいんやろうと、いつかこの体験を共有したい、と思ってたのが、羽賀和尚とのご縁によって、6.11に実現、今回もまた再現となりました。今回は般若心経にプラスして、『薬師如来御和讃』という、薬師如来の御詠歌を唱えて頂きました。その意味は、「応病施薬」。その人その場に応じて薬を施すが如く、教えを説く。お腹が空いていれば食べ物を分かち、涙を流さずにはいられない方には共に涙を流す。自分自身が薬となって寄り添い、分かち合うこと。とはいっても聞いてる分には内容はちんぷんかんぷんなわけで、でも見てる分には禅塾のみなさんの一糸乱れぬ動きが圧巻で、リハーサルの段で既に鳥肌でした。いい経験をさせて頂きました。
また、前回に引き続きトリをお願いした、落語家・桂しん吉さんは、午前中に会場に入られ、始まってからはずっと会場の後ろで見てらっしゃいました。まぁヒマやわなぁと思ってたのですが、プログラム半ば過ぎに寄って来られて、「今日は枕なしで、いきなりネタから入ります」と仰るんです。なんでですか?と聞けば、今日の会場の空気は、みなさん真剣に聞くモードなので、下手な枕はなしでいこうと思ったと。みんなMCもなく、いきなり話し出し、いきなり歌い出すのであれば、いきなりネタに入りますと。上岡龍太郎氏が言ってましたが、本来話芸とは、会場のお客さんと演者が同じ空気を吸う中で、その空気を読むことができること、だったのが、TVの登場で、その空気が遮断され、そこから芸の形が変わったと。そんな中でも尚、しん吉さんは空気というものを大事にされてるんだと感じ入りました。そして締めの挨拶での、落語の中にある江戸時代の暮らしを思うと現代は贅沢し過ぎなのかもしれませんという言葉。今より寒く、暗く、静かだった、それだけでも今とは随分違うと。ヒントはそこかしこに潜んでて、落語を通しての温故知新、そんなアプローチもいいなと思いました。
感想はまだまだありますが、この辺りにしておきます。
至らぬ点は多々あったかもしれませんが、出演者スタッフ一同、心を1つにし、被災地へ思いを馳せ、これからのあるべき姿について希望を持ちながら少しずつ前進していくことを念頭にやらせて頂きました。2回目を終えて、出演者とスタッフにチーム感が出てきたことがなにより嬉しく思っています。
第3回、第4回との声も頂いていたりもしますが、次回以降、どのような形を取るのか、少し考える時間を持って、臨んでみたいと思っています。
最後に、ご参加下さった全ての皆様に、感謝とお礼をこの場を借りて申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
THE ZEN KAI 主催 森田大剛