自分探しの旅 vol.7
- DATE : 2011.08.10
- Cat : Travel
お高いJALの直行便にて、シャルル・ド・ゴールに着くというので、迎えに。いつもキャッキャしてはるアベちゃん。独特のセンスで、コラージュする女子。普段は難波のズッカとかツモリチサトとかを扱ってる服屋で働いてて、戎橋商店街のボーリング大会では優勝してしまうような140cm台の小柄でサウスポー、生理の時は余計な力が入らなくて調子いいと180台とか出してしまったりする。当時ダリと日比野克彦が好きやったはず。そんな彼女には、イベントのフライヤーやFloorのオープニングのDMなんかを手作りで500枚とか大量にお願いして作ってもらった。結婚してアメリカに行ってしまってから、随分とご無沙汰。
そんなアベちゃん、少々依存体質のようで、1人行動が無理。どこに行くのもついてきて~、の頻度の高さにうんざり。普段の遊びの中でも多少は気付いてたことではあったけど、旅の最中ってそういうことが顕著になる。きっと1週間とか限られた時間の中で、それをどう使っていくのかという優先順位がグチャグチャになるからなんじゃないかと思う。結局依存って、自分で決めれないということやもん、優先順位も付けれないってことよね。まぁよく喧嘩。
街の一人歩きに関しては、男性女性の差はあるようやけど。やっぱり女性の方が身の危険の心配度が高いようで、でもそれは男性で生まれてしまった以上、想像の範囲を超えない。男に比べて力の弱い女性をエスコートしてあげるのは当然、そうは思うけど、日中の人通りの多い場所で身の危険を心配する方が微妙というか、それは初体験に付随する恐怖心に対する正当化でしょう、と。スリに遭うのに男女関係ないやろし。アンタ冷たい、とアベ、号泣。
だからお互いが行きたい場所が一緒なら一緒に行けばいいし、違うなら別々に動けばええやんか、と。渋々了解。とかいいつつ、マレへは一緒によく行った。『ロバン・デ・ボア』って雑貨屋さんがそれはそれは素敵で、オーナーの女性は当時から環境問題について考えてはる人で、聖林公司のアイテムも扱ってたり、アンティークのレターセットがとにかく品があっていい具合に灼けてたり、什器も配置も光の加減も、そこに求めていたものが全てあった。
アベはモンマルトルに1人で行ってきては喜び、ムーラン・ルージュ+ロートレックに歓び、いよいよ、スペインの、フランス国境にほど近い街にあるダリ美術館へ1泊2日で行った。戻ってきた時にはすっかり顔つきが変わって、少し逞しくなった気がした。
その半年後、仕事を辞め単身パリへ行き、ちゃっかり『ロバン・デ・ボア』で店に立ち、自分の作品を店頭で販売し出したアベ。その頃のフィガロの、パリで見つけたオシャレな雑貨読者プレゼント!みたいな中に、アベのポストカードが入ってて、友人達と笑った。そして気付けば、アメリカに移住、結婚、と、ウジウジしてたクセにっとでも言いたくなる。
数年後訪れた時、何があったか知らないけど、『ロバン・デ・ボア』はなくなってた。でもその辺りに、古着リメイクのお店ができてて、ラグジュアリーでパンクなセンスに打ち抜かれたり。そこで買ったT-shirtsは今でも大事に着てる。
そして偶然かもしれないけど、ブルックリンに同じ名前のカフェがあって、そこがまた中世と現代の廃材がミックスされた空間で、繋がっていくものを思う。
人生を旅に思うなら、1人旅ができない人と、人生も共に歩めないな、と思った。
常に一緒に行動しなければならない、相手の全てを把握したい、自分の全てを理解して欲しい、等、不可能やもん。そんなこと当たり前、と思っててくれないと、しんどい。
お次ぎは、スペイン、ピカソとアンダルシア編。